市役所で働きたいけど、志望動機に何を書いたらいいかわからない。
このような悩みを抱えている方は多いんじゃないでしょうか?
市役所って、直接お世話になる機会は少ないし、何やってるかよくわからないし、いざ志望動機を書こうと思っても難しいですよね。
そこで今回は、地元でもないし、縁もゆかりもない市役所に合格し、約7年間勤務した経験を持つ「元・市役所職員」の私が、志望動機を書く時のポイントについて解説していきます。
これから市役所を受けたいと思っている方の志望動機作成の参考にしていただければ幸いです。
志望動機はめちゃくちゃ大事!
志望動機はとりあえず当たり障りのないことを書いておこう
と思ってしまうかもしれませんが、それではもったいない!
志望動機は最終面接までほぼ必ず聞かれる質問なので、非常に重要です。
逆に言えば、しっかり考えた内容を披露する機会が毎回あるというふうにとらえることもできます。
履歴書に書くときから、面接で話すことを想定して書きましょう。
意外と志望動機が浅い人が多いので、ここをしっかり考えていれば周りとの差をつけることができます。
よくある市役所の志望動機
よくある市役所の志望動機としては、
- 自分が生まれ育った街に貢献したい
- 地域の人と直接接して役に立ちたい
といった内容が非常に多いです。
もちろんこうした思いを持っているというのは素晴らしいのですが、これだけだとほかの人でも書けてしまって独自性が薄いです。
より魅力的な志望動機にするには、もっともっと深堀りしていく必要があります。
ポイントは2つ!“論理”と“情熱”
志望動機を考えるうえで大切なポイントは2つだけ。
それは“論理”と“情熱”です。
この2つを意識して考えることができれば、説得力のある志望動機が作れます。
【市役所志望動機のポイント】論理
1つ目のポイント“論理”とは、つまり「納得できる理由作り」です。
次のことについて、人に納得してもらえる理由となるまで『なぜ?』を追求しましょう。
- 『その市役所』で『何がしたい』か
- ストーリー性
この2つはどちらを先に考えてもいいですが、最終的にはどちらも満たす一貫性のある志望動機を目指しましょう。
『その市役所』で『何がしたい』か
『その市役所』である理由については「地元だから」以外で考えてほしいです。
市役所を受ける人は、その街で生まれ育った地元の人だったり、学生時代にその街の学校に通っていた人がほとんどなので、「地元だから」では差別化できません。
考え方としては、その市の特色に着目して考えるといいでしょう。
市の施策や産業、地形、自然環境など様々な視点からその市のことについて調べてみてください。
そして、その市の特色を踏まえて『何がしたいか』を考えます。
自分がやりたいことが明確に決まっていればいいですが、「特にやりたいことはない…」という人もいると思います。
そういう人は後付けでいいので、面接対策としてそれらしい理由作りをしましょう。
市役所に入ることをゴールと考えればそれで充分です。
(例)
・海岸線、河川がある→防災
・農業が盛ん→産業振興
・独自の教育プログラムがある→公立小中学校の教育支援
配属先もわからないし、異動もあるのに具体的に「これをやりたい」って言っていいの?
と不安の声を聞くことがありますが、大丈夫です。
むしろなきゃダメぐらいに思っています。
もう一つのポイント“情熱”にもつながってきますが、なんでもやりますってスタンスだと熱意を感じないんですよね。
確かに、一つのことに絞ってこれをやりたいです!って話をすると、
「市役所にはたくさんの部署があって、異動もあるので希望する仕事に就けるとは限りませんが大丈夫ですか?」
と聞かれると思いますが、次のような感じで返せば問題ないでしょう。
「様々な部署で市の業務に取り組むことで、視野が広がり理解が深まると考えていますので、私が希望する○○の分野以外の業務にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。ただ、すぐにではなくとも、いろいろな経験を経る中で、いずれは○○に携わらせていただきたいです。」
ストーリー性
志望動機に説得力を持たせるには「ストーリー性」が重要です。
市の特色に関する業務をやりたいと言っても、
「なぜそれをやりたいか?」
これに答えられなければ、納得はしてもらえません。
ここで重要なのが、自分の過去の経験を洗い出すこと。
これが独自性につながります。
あなたと同じ人生を歩んでいる人はいません。
これまで経験してきたことの中から、市役所で働くきっかけとなりそうなものがないか思い出してみましょう。
どんな些細なことでもいいので、書き出してみるといいと思います。
もしくはテーマごとに考えてみてもいいかもしれません。
観光、産業、子育て、教育、防災、環境、デジタル化など、このあたりは話題にしやすいと思います。
過去の経験を洗い出したら、つぎは今のあなたに着目します。
過去の経験から今のあなたにつながっているものを考えてみましょう。
例えば、元々自然が大好きで今も山でキャンプをしているとか、東日本震災で被災して防災士の資格を取ったとか。
過去と現在がリンクするものがないか考えてみましょう。
もしなければこれから作るのもアリです。
資格を取ったり、ボランティアに参加してみたり。
最終的には、次のようなイメージでストーリー性を持たせられるようにしましょう。
(例)防災業務に携わりたい場合
- 背景:東日本大震災で被災
- 現在:大学で防災に関する勉強をしているor防災士の資格を取得
- なぜその市か:海岸線や河川を有し対策が必要
- やりたいこと:防災に関するハード面、ソフト面での整備
ここまで考えられれば“論理”に関しては完了です。
【市役所志望動機のポイント】情熱
2つ目のポイント“情熱”とは、つまり「行動する」ということです。
いくら“論理”がしっかりしていても、「ここで働きたいんだ!」という情熱・熱意を感じられなければ、採用に至るのは難しいと思います。
情熱を伝えるといっても、やることは単純です。
履歴書を書く前に、最低でも1回は希望する自治体に足を運んでください。
そして、市の主催するイベントやセミナーに参加しましょう。
今はネットでたくさんの情報を得られるので、その情報をもとに志望動機を作成する人が多く、実際に市に訪れるという人は意外と少ないです。
特に地方の市の場合は、「実際に市に足を運んでいる」という事実が、その人の熱意と本気度を感じられ非常に良い印象を与えられます。
実際に市を訪れたときに感じたこと・考えたこと・課題だと感じたことを志望動機に組み込めれば、非常に説得力のあるものに仕上がります。
(例)防災業務に携わりたい場合
- 背景:東日本大震災で被災
- 現在:大学で防災に関する勉強をしているor防災士の資格を取得
- なぜその市か:海岸線や河川を有し対策が必要
- 行動:市の防災セミナーに参加
- やりたいこと:防災に関するハード面、ソフト面での整備
まとめ
市役所の志望動機を考えるときのポイントについて解説してきましたが、いかがでしたか。
考える作業は非常にエネルギーを使いますが、しっかり考えておけば、面接もスムーズに進められますし、ほかの受験者と差をつけることができますので、気合を入れて頑張りましょう。
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